遺言– WILL –

遺言とは

 遺言とは、自分の死後に残したいと思う意思表示を文書化したものです。遺言には、遺産分割や財産管理、後見人の指定、埋葬方法の指定、自己の思い出や感謝の気持ちを伝えるなど、様々な内容が含まれることがあります。

遺言を作成することで、自分が望む形で財産を分けることができたり、後見人を指定することができたり、埋葬方法を指定することができたりするため、自分の死後における意思をしっかりと残すことができます。

遺言は、法的な手続きによって実行されます。日本では、民法によって遺言の効力が定められており、遺言は遺言書という形式で書かれることが要件とされています。

遺言書の種類

  1. 自筆証書遺言
    自筆証書遺言とは、遺言を作成する人が、財産目録を除く全文を自筆で書く遺言書です。そのメリットとデメリットは以下の通りです。
    ・メリット
    自分で気軽に作成でき、書き直しもできる
    紙とペンさえあれば、いつでもどこでも作成できます。思いついたときや空いた時間に自宅で気軽に遺言書を作成できるメリットがあります。
    費用がかからない
    公正証書遺言の場合公証人の手数料等の費用がかかりますが、自筆証書遺言には作成費用がかかりません。
    遺言の内容を秘密にできる

    ・デメリット
    要件を満たしていないと無効になる恐れがある
    紛失や、死後に相続人が見つけられない恐れがある
    書き換えられたり、隠されたりするリスクがある


    なお自筆証書遺言は基本的に自分で保管する必要がありますが、2020年7月10日から法務局で保管してもらえる「自筆証書遺言書保管制度」が始まりました。この制度によって、遺言書の紛失や隠匿などを防止でき、遺言書を発見してもらいやすくなりました。
  2. 公正証書遺言
     公正証書遺言は、原則的に公証役場で作ります。2人以上の証人の立ち会いのもと、公証人がパソコンで作成し、遺言を遺す人が、記載された内容で間違いないかどうかを確認して最後に署名・押印をして完成です。
     証人が必要な理由ですが、遺言者本人が遺言を遺すということ、誰かに脅され書かされているわけではないこと、認知症などを患っておらず正常な判断能力が備わっていることなどを確認するためです。
  3. 秘密証書遺言
    口述または手書きの遺言書を、自分で封筒に入れ、自分で封をした後、封筒の表面に自筆で「遺言書」と記載することによって作成する方法です。秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければなりません。
     (1)遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
     (2)遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
     (3)遺言者が、公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
     (4)公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
    ・メリット
    遺言書の内容を遺言者が死ぬまで秘密にできる。
    偽造、変造を防ぐこともできる。
    自筆ではなくパソコンで書いたり、代筆でも問題はない。


    ・デメリット
    方式不備により無効となる危険性がある。
    あくまでも遺言者本人の遺言書であると承認するだけで、内容までは確認しないためです。
    費用と手間が公正証書遺言と同様にかかってしまい、家庭裁判所の検認作業も必要となってくる。

 これらの遺言書は、法的に有効なものとして扱われます。遺言者が自分の意思を遺言書に明確に残すことで、自分の望む形で財産を分けたり、後見人を指定したり、埋葬方法を指定したりすることができます。

遺言書の効果

 遺言書は、遺言者が自分の死後に残したいと思う意思表示を文書化したものであり、法的な効果を持ちます。以下に、遺言書の効果について詳しく説明します。

  1. 財産分割の指示
    遺言書には、財産分割の指示を記載することができます。つまり、遺言者の望む形で、遺産を相続人に分けることができます。これによって相続人同士のトラブルを避けることができます。
  2. 後見人の指定
    遺言書には、後見人を指定することができます。後見人とは、病気や事故で判断能力を失った人を代理して、財産管理や生活のサポートを行う人のことです。遺言者が自分の望む後見人を指定することで、自分の希望に沿ったサポートを受けることができます。
  3. 埋葬方法の指定
    遺言書には、埋葬方法の指定をすることができます。つまり、遺言者の望む形で自分の葬儀を行うことができます。これによって、遺言者の希望に沿った葬儀を行うことができます。
  4. 遺産分割協議
    遺言書が遺産分割や相続人に対する要求を示している場合、遺産分割協議書において利用されることがあります。

 遺言書には、法的な手続きによって実行されるため、遺言書に記載された遺言内容は、遺言者が死亡した後に実行されます。したがって、遺言書は遺言者の望む形で財産を分けたり、後見人を指定したり、埋葬方法を指定したりするために、非常に重要な文書となります。

遺言書の作成方法

遺言書を作成する方法について以下に説明します。

  1. 遺言書の形式について確認する
    遺言書は、法律上、ある程度の形式が定められています。例えば、遺言書には、遺言者の名前や住所、遺言書で指定する財産の種類や相続人の名前など、必要な情報が含まれている必要があります。詳しい内容については、司法書士や弁護士などの専門家に相談することが望ましいです。
  2. 遺言書を作成する
    遺言書を作成する際には、手書きで作成することが望ましいです。パソコンで作成した場合でも、遺言者の本人署名が必要となります。遺言書には、財産分割の指示や後見人の指定、埋葬方法の指定など、遺言者が望む内容を記載することができます。また、遺言書には、作成日や署名、証人の署名が必要になります。
  3. 遺言書の保存場所を決める
    遺言書は、遺言者が死亡した後に実行されます。そのため、遺言書の保存場所を確保することが重要です。例えば、遺言者自身が保管する場合や、信頼できる第三者に預ける場合などが考えられます。また、遺言書を作成したことを家族や親族に伝えることも重要です。
  4. 専門家に相談する
    遺言書を作成する際には、司法書士や弁護士、税理士などの専門家に相談することが望ましいです。専門家に相談することで、法律的な面や実務的な面でのアドバイスを受けることができます。また、専門家によっては、遺言書の作成代行を行っている場合もあります。

親なきあと対策でなぜ遺言が必要なのか

 親がなくなった後、遺産分割をする場合、遺言があるかどうかによって、相続人に与えられる財産が変わってきます。遺言がない場合、法定相続人によって財産が分割されますが、法定相続人には、遺言で指定された相続人とは異なる人も含まれる可能性があります。そのため、遺言を作成することで、遺産分割を希望する相続人を明確にし、相続人間でのトラブルを防ぐことができます。

 また、遺言を作成することで、親が亡くなった後に希望することを記載することができます。例えば、遺産分割の方法や後見人の指定、遺品の処分方法などが挙げられます。遺言に記載することで、希望に沿った相続ができるようになり、遺言者の思いが尊重されます。

 ただし、遺言を作成する場合には、遺言書の形式や内容について法律的なルールがあります。遺言書の作成については、専門家のアドバイスを受けたり、法律的な知識を持った人に相談することが望ましいです。

遺言を作成しておいた方が良いケース

遺言を作成しておいた方が良いケースは以下のようなものがあります。

  1. 財産を明確に相続人に希望する場合
    法定相続人とは異なる相続人に財産を希望する場合、遺言を作成することで希望を明確にすることができます。
  2. 遺産分割について親族間でのトラブルが予想される場合
    遺言書に遺産分割について明確に記載することで、相続人間のトラブルを防ぐことができます。
  3. 後見人や遺品に関する希望がある場合
    後見人の指定や遺品の処分方法など、希望に沿った処分を希望する場合、遺言に記載することができます。
  4. 内縁の夫や妻がいる場合
    内縁の夫や妻に財産を相続させる場合、法定相続人には含まれていない為、遺言を作成しておくことで、相続が可能になります。
  5. 非嫡出子がいる場合
    非嫡出子に財産を希望する場合、法定相続人には含まれない場合もあります。遺言を作成しておくことで、相続が可能になります。

 以上のような場合に、遺言を作成しておくことで、遺産分割や処分方法に関する希望を明確にし、遺産分割に関するトラブルを未然に防ぐことができます。